こんにちは。
相馬一進(そうまかずゆき)です。
前回の記事で「ブレストは悪しき慣習だ」
ということをお伝えしました。
「大人数で意見を出し合うブレストをしても
大したアイデアは出ない」という事実が
学術的な研究の上でも判明しているという話でした。
その上で「だからと言って、ブレストをやめるだけで
生産性が上がるわけではない」ということも書きました。
なぜなら、ブレストをやめたからといって、
それだけで良質なアイデアは出ないからです。
では、ここからが本題です。
ブレストが悪しき慣習なのであれば、
良質なアイデアをたくさん出したい場合は
どうしたらいいと思いますか?
言い換えると、良質なアイデアが出なくなる
一番の原因は何なのでしょうか?
この答えは、業界、業種、環境などによって、
当然ながらいろいろな可能性があるでしょう。
ただ、私の経験則で言えば、
「リーダーシップを取る人がいるかどうか」
という要因が大きく関係していると思います。
たとえば、あるチームで新商品を開発するとします。
その場合に、そのプロジェクトに関して
リーダーシップを取る人が
“いなかった場合”を想像してみてください。
つまり、「自分が頑張らなくても
他の人がアイデアを出すだろう」といった意識を
全員が持ってしまっている状況です。
すると、当然ながら誰も本気で考えていないので
ろくなアイデアが出てきません。
その結果として、
「1度、みんなで集まってブレストをしましょうか」
という話になりがちです。
ですが、前回もお伝えしたとおり、
ブレストでろくなアイデアが出ないという事実は
エビデンスの上でもわかっています。
ですから、会議室に集まってもビデオ会議をしても、
まともに使えるアイデアが出ないのです。
だからといって、ブレストをやめても、
やはり誰もアイデアを出しません。
このように考えるとわかると思いますが、
真の原因はブレスト云々ではなく、
誰もリーダーシップを取っていない状況なのです。
では逆に、「このプロジェクトを絶対に成功に導く!」
と、リーダーシップを取る人が“いる”状況を考えてみましょう。
その場合、まずはその1人が
寝食を忘れるくらいにアイデアを練るでしょう。
その人がアイデア出しの得意なタイプであれば、
その時点で良質なアイデアが出るはずです。
もちろん、そのリーダーシップを取る人が
アイデア出しを苦手とするタイプかもしれません。
ですが、そういった場合も、
「絶対に成功させたい!」と思っていれば、
アイデア出しの得意な人に個別で相談するでしょう。
すると、頼まれた人も1対1なので真剣に考えて、
良質なアイデアで出そうとします。
大勢で会議をするよりも
少数で考えたほうがアイデアが出るということは
前回もお伝えしたとおりです。
そのため、良質なアイデアが出やすくなるので、
後はそのアイデアを他のメンバーに共有して、
実現に落とし込んでいけばいいのです。
まとめると次のようになります。
・リーダーシップを取る人がいなくなると、
誰もアイデアを出さなくなる
・誰もアイデアを出さないとブレストをしがちだが、
ブレストしたところでアイデアは出にくい
・アイデアが出ない問題を根本的に解決するには、
誰かがリーダーシップを取る必要がある
・リーダーシップを取った人が中心となって、
少数で考えたほうが良質なアイデアが出る
私の感覚で言えば、命をかけるほど
本気でリーダーシップを取る人がいれば、
そのプロジェクトは成功確率が高くなります。
言い換えると、リーダー不在のプロジェクトは
間違いなく停滞か破綻に行き着くのです。
相馬一進