こんにちは。
相馬一進(そうまかずゆき)です。
これからの時代のビジネスには、
美学が重要になると私は感じています。
ここで言う美学とは「自分は何が美しいと感じるか」
といった感覚や基準のことです。
つまり、「こんなビジネスが美しいと思う」とか
「こういった商品は美しくない」という意識が
ビジネスに関係してきています。
なぜなら、価値観の変化にともなって
「正しさ」がなくなったため
「美しさ」を基準にする必要があるからです。
たとえば、2000年代初頭くらいまでは
良くも悪くも「会社を大きくするのが正しい」
という風潮がありました。
書店のビジネス書は、トヨタやユニクロなどの
上場企業の成功事例を扱った内容が多数派でした。
もちろん、実際の会社の多くは中小企業でしたが、
ほとんどの会社が売上の成長を狙っていたのです。
株式上場とか全国展開といったスケールアップが
圧倒的に正しいという社会通念があったのでしょう。
ですが、2000年代半ばから2010年以降にかけて
徐々に価値観が多様化しました。
あえてビジネスの規模を小さいままにして
「少人数でビジネスをするほうが気楽でいい」
と主張する人も増えたのです。
何より大きく変わったのは、
1人でビジネスをしている場合も、
「成功者」と呼ばれるようになった点です。
昔から自営業や個人事業主の人はいましたが、
「成功者」と称されるのは新しい価値観です。
もちろんZOZO創業者の前澤友作さんのように
ビジネスを大きくした起業家も
相変わらず脚光を集めています。
つまり、小規模のビジネスをする起業家も
大規模のビジネスをする経営者も
どちらも「成功者」になったわけですね。
さて、ここでは規模の話をしましたが、
業界、業種、理念、ビジネスモデルなども
千差万別になってきています。
もはや絶対的な意味で正しいビジネスはありません。
だからこそ、意思決定において重要になったのが、
「自分はこれが美しいと感じる」という美学です。
その美学を基準にして、企業理念、
お客さんとの関係、開発する商品、提供方法などを
決断する必要があるからです。
言い換えると、美学を持っていないと
「何が正しいのかわからない」と
情報に振り回されるだけになってしまいます。
美学がある人にとっては生きやすく、
美学がない人にとっては生きづらい世の中に
変わったとも言えるでしょう。
さて、あなたは美学を持っていますか?
相馬一進