こんにちは。
相馬一進(そうまかずゆき)です。
哲学者のショーペンハウアーは、
主著『意志と表象としての世界』の中で
「人生は苦痛である」と説きました。
難解なこの本の内容を換言すると、主な主張は次のようになります。
「欲望が満たされなければ不満になり、
欲望が満たされたら退屈になる。
ゆえに人生は苦痛ばかりだ」と。
ただ、私からするとこの主張は真理ではありません。
なぜなら、心理学の視点で見ると、
単にショーペンハウアーの独善的な価値観から
世界を語っているだけだからです。
というのも、「欲望を満たされなければ不満」
という前提は、本当に真実でしょうか?
欲望が満たされるまでの期間を
楽しめる人もいるはずですよね?
たとえば、経済的に成功していなくても、
起業への欲望を糧に行動して、
ビジネスの準備を楽しんでいる人もいるでしょう。
また、「欲望が満たされても退屈」と言うのも
必ずしも真ではない。
食後の満足感を味わうように、
純粋に幸せを感じる場合もあるからです。
こうして見ると、興味深いですよね?
哲学者の多くは自分こそが
世界の真理を知るかのような言説をしています。
しかし、結局は認知のゆがみを通して世界を見て
感想を語っているだけなのです。
相馬一進