こんにちは。
相馬一進(そうまかずゆき)です。
「幼少期から1つのことを続けたほうが成功する」
と思っている人が多くいます。
たとえば、3歳くらいの頃からサッカーをし続けると、
サッカー選手になれるといったイメージです。
これ、本当だと思いますか?
実はこういったイメージは幻想に近いと言えます。
それを示ししたのが、
カイザースラウテルン工科大学のアーネ・ギュリッヒと
ブルック・N.マクナマラらの研究結果です。
この研究によると、
子供の頃から同じスポーツを続けていた人は
大人になってあまり結果を出していませんでした。
ジュニアの大会で入賞していたとしても、
世界的なアスリートにはなりにくかったのです。
一方、子供の頃に複数のスポーツを試した人は
世界的なアスリートになりやすい傾向がありました。
たとえば、マイケル・ジョーダンは
バスケットボールの他にも野球や
アメリカンフットボールにも打ち込んでいます。
マイケル・ジョーダンのように複数のスポーツを
“つまみ食い”してきた人のほうが
アスリートの中では主流派なのです。
この研究は、6,000人以上のアスリートを対象とした
51件の研究結果をまとめたものなので
非常に信頼性は高くなっています。
では、なぜこのような傾向があるのか?
その答えは学術的には解明されていません。
ただ、強みと弱みを見極められるのが
大きいだろうと私は考えています。
というのも、ビジネスの分野でも
大きな結果を出した起業家は
初心者の頃に複数の分野を試している傾向があります。
私自身、11業種のビジネスを試した末に
今のビジネスに行き着きました。
いろいろと“つまみ食い”しているうちに
自分の得意・不得意がわかり
才能が活かせるビジネスにたどり着いたのです。
おそらくスポーツに関しても
いろいろと“つまみ食い”したほうが、
才能が活かせる分野を見つけやすいのでしょう。
もちろん、2歳からゴルフを続けたタイガー・ウッズが
生涯獲得賞金額歴代1位になっているように
ほんのひと握りの例外もあります。
ただ、タイガー・ウッズのような例は、
挑戦した分野と生まれ持った才能が
たまたま噛み合った場合にのみ起きます。
その奇跡の背後には、死屍累々というわけです。