こんにちは。
相馬一進(そうまかずゆき)です。
自分のビジネスを伸ばす方法を、
異業種から学ぼうとする人がいます。
たとえば、カウンセラーとして成功する秘策を
芸術の世界などから、学び取ろうとするのです。
すでに成功している人の中にも
異業種からの学びを推奨している人はいます。
私自身、異業種との交流でイノベーションが起きる
という以下の記事を、以前書きました。
ご参考:イノベーションを起こす方法
上記の記事は、フランス料理の技を
中華料理に取り入れたという事例で、
こうしたイノベーションは素晴らしいと思います。
そのため、「異業種からの学びが大切」
という意見には、私も同意できます。
ですが、この話には、
重要な前提があるとも考えています。
それは、「異業種に目を向けるのは、
業界内で一定のレベルになってからだ」
ということ。
言い換えると、開業して間もない人や、
ろくに稼げていない人は、
まずは業界内の先輩から学んだ方がいいのです。
実際、多くの成功者も、初期の段階では
業界内の先駆者をマネしています。
たとえば、『ジョジョの奇妙な冒険』で有名な、
荒木飛呂彦さんという漫画家がいます。
荒木さんは、日本の少年漫画家でありながら、
西洋の彫刻の技法を取り入れた
キャラクターデザインをしているそうです。
ただ、その特殊な技法に行き着いたのは、
プロデビューして数年が経ってから。
アマチュア時代から、デビュー初期までは、
日本の先輩漫画家の作品をマネして、
模写するように描いていたとのことです。
つまり、最初は業界内のやり方をマネして、
基礎力を身に着けていたと言えます。
基礎を徹底してから、さらに実力を伸ばすために
異業種の考え方を取り入れたのです。
ここに重要な本質があります。
荒木さんが、西洋彫刻のデザインを
日本の漫画に取り入れて、
より成功したのは事実です。
しかし、もし最初から西洋彫刻の手法ばかりを
追っていたら、そもそも日本の少年漫画家として
デビューできなかったことでしょう。
ただの彫刻オタクとして、
フリーターのようになっていたかも知れません。
基礎力ができていないと、
応用の技法を使いこなせないからです。
これは、ビジネスでも同様です。
ビジネスがある程度軌道に乗りつつも、
売上が停滞してきたのであれば、
異業種の新たな視点を取り入れてもいいでしょう。
一方、まだまともに稼げていないのであれば、
異業種を追いかけている場合ではありません。
基礎力が不足しているはずなので、
まずは業界内の基準を知って、
一定のレベルまで到達してください。