こんにちは。
相馬一進(そうまかずゆき)です。
駆け出しのコーチやカウンセラー、
セラピストなどの心理職(以下、心理職)の人が
やってしまいがちな愚行があります。
それは、「自分の技術を隠したまま
セッションを行ってしまう」という行為です。
つまり、手品師がタネを隠すように、
どういった心理療法を使うのかを
相手に秘密にしたまま、テクニックを使うのです。
たとえば、さりげない会話の中から、
クライアントのトラウマを探るといった行為です。
そして、まさに手品師のように
相手の心理を言い当てて、
クライアントを、あっと驚かせようとするのです。
こういった「タネを隠すセッション」は
高確率で失敗します。
また、一時的に成功したとしても
長期的には、クライアントのためになりません。
私に言わせてみれば、非道で危険な行為です。
なぜかわかりますか?
理由は、2つあります。
1つ目の理由は、
「タネを隠すセッション」が
そもそも失敗しやすいからです。
たとえば、何気ない世間話をしながら、
心理テクニックで情報を聞き出すというのは、
非常に困難なものです。
現実の会話は、ドラマの台本のようには進みません。
そのため、いきなり違う話題に
変わってしまう場合も多く
到底思い通りには誘導できないのです。
訓練すれば精度は上がるかも知れませんが、
そんなことはムダな努力。
一流の心理職なら素直に、
「〇〇について教えていただけますか?
どうしてかと言うと、××を調べたいからです」
などと質問します。
こちらの方が、
はるかにセッションが成功しやすいですね。
「タネを隠したセッション」が危険だと言える
2つ目の理由は、一時的に成功したとしても、
クライアントのためにはならないからです。
なぜなら、心理職側が手の内を隠していると、
クライアント側は、
自分が何をされたのかを自覚できません。
そのため、仮にメンタルが改善したとしても、
「よくわからないが、なんだか治った」
という状態にしかならないのです。
すると、どうなるでしょうか?
後日、クライアントは
また似たような問題を起こしますよね。
原因も解決方法も分かっていないので、
全く同じパターンを繰り返すハメになります。
まともな心理職なら、最初に
「あなたには△△の問題点があるので、
◎◎という療法を使うといいですね」
と、タネ明かしをします。
すると、クライアントは
1人になっても再発防止をしやすくなるのです。
このように、「タネを隠すセッション」は
デメリットだらけで、
ほとんどメリットがありません。
もし、あなたがこうした心理職の人に出会ったら、
明らかな実力不足なので、避けてください。
ちなみに、なぜ二流の心理職が、
タネ明かしをしたがらないのか、わかりますか?
それは、以下のようなエゴを持っているからです。
・テクニックでクライアントを驚かせて尊敬されたい
・同業者よりも高度なテクニックを使って
自己愛を満たしたい
・クライアントを魅了して、崇められたい
・クライアントを自分に依存させて、搾取したい
・リピートを促すために、
クライアントを回復させないようにしている
いずれも、クライアントを人形のように利用して
快感を得たいという、クソみたいな理由です。
言うなれば、医者が患者に説明もなく、
薬物を投与したり、内蔵を切ったりするような行為。
本当にありえない愚行です。
こうした行為を繰り返す心理職は、
業界から退場していただきたいと思います。