こんにちは。
相馬一進(そうまかずゆき)です。
先日こんな質問をメールでいただきました。
「相馬さんは、宗教とカルトと自己啓発の間に
違いはあるとお考えになりますか?」
結論から言うと、ここでいう自己啓発が、
「いわゆる自己啓発セミナーの自己啓発」を指すならば
これらに大差はないと思っています。
※以下、「いわゆる自己啓発セミナーの自己啓発」を
自己啓発と表記します。
宗教もカルトも自己啓発もみんなカルトです、
私に言わせれば。
カルトとは、少数派が盲信している教典ですね。
その理由は、以前ここに書きました。
ご参考:宗教から科学へ
現代は、科学がカルチャー(主流)の時代です。
宗教はどんどん科学に置き換わっていっています。
その結果、宗教を信じる人は少数派になり、
あまねく宗教は全てカルトになることでしょう。
また、自己啓発の歴史を紐解いてみても、
最近は科学的な自己啓発がカルチャーになっています。
エビデンス・ベースド・プラクティスと言いますが、
エビデンスがある自己啓発だけが信頼されます。
そして、「どう生きればいいのか」といった問いにさえ
科学(この場合は統計学)が答えを出してくれています。
一方で、ある成功者の考え方を
伝えているようなエビデンスがない自己啓発は
全てカルトになっていくでしょう。
オウム真理教のような破壊的カルトだとは言いませんが、
カルチャーにはなりえないでしょう。
このように、宗教も自己啓発も、
科学的なエビデンスに反することを教えているので
カルトと言わざるを得ないのです。
科学的なエビデンスというのは
ランダム化比較試験や観察研究の系統的レビューで
証明されるとか、そのレベルのことを指しています。
蛇足ですが、カルト(cult)はラテン語が語源の単語です。
元々のラテン語は「耕す(colore)」でした。
この「耕す(colore)」は、
2つの正反対の英単語に変わりました。
英単語の1つがカルチャー(culture)であり、
もう1つがカルト(cult)です。
同じ語源なのに正反対の意味になるのは
なかなか興味深いですよね。