こんにちは。
相馬一進(そうまかずゆき)です。
シェイクスピアの「喜劇」である
『ヴェニスの商人』のストーリーは有名ですよね。
あの戯曲にはユダヤ人の金貸しが登場しますが、
彼は「完全なる邪悪」として描かれています。
そして、話の最後で完膚なきまでに叩きのめされます。
裁判の結果、彼の財産は没収させられるわ、
ユダヤ教からキリスト教に強制的に改宗させられるわ、
意味不明なほど迫害されます。
今であればユダヤ人の差別として大問題になるでしょう。
しかし、この人種差別的な戯曲が、
当時は「喜劇」の名作として認められていたのです。
これは、当時のユダヤ人がどれだけ迫害されていたかを
顕著に表していますよね。
当時は、ユダヤ人から財産を没収する話に
胸がスカッとする読者が多かったわけです。
また、ユダヤ教という「邪教」から
キリスト教に改宗することはよいことだと
多くの人が考えていた証拠でもあります。
こういったコンテンツ(内容)は、
現代では絶対にヒットしないでしょう。
少なくとも私は、『ヴェニスの商人』の筋書きは
とても「喜劇」には思えません。
胸が苦しくなる「悲劇」です。
コンテンツは、その時代に価値観に
合っていることが重要なのです。