こんにちは。
相馬一進(そうまかずゆき)です。
「予期せぬ成功ほど、イノベーションの機会となるものはない。
だが、予期せぬ成功はほとんど無視される。
困ったことには存在さえ否定される」
これは、経営の神様とよばれたピーター・ドラッカーの本、
『イノベーションと企業家精神』からの引用です。
ドラッカーがイノベーションを研究したところ、
もっとも多かったのは「狙った成功」ではなく、
「予期せぬ成功」でした。
有名なのは、3M社が開発したポストイットでしょう。
よくくっつく接着剤を作ろうとしたら、
全然くっつかない接着剤を開発してしまい、
それをポストイットに転用してヒットしたのです。
逆に、私があまりにもバカげていると思うのは、
起業セミナーでよく出てくる
「あなたの理想の顧客を書いてみましょう」
という質問(演習)です。
こんな質問をしたところで、
イノベーションは起こせないんですよね。
ピーター・ドラッカーいわく、
「変な顧客がきたら、それが本命の顧客だ」。
ですので、まず自分の商品を売ってみて、
たとえ理想の顧客に売れなかったとしても
落胆することはないのです。
たとえ変な顧客だろうと、顧客は顧客だからです。
実は、その変な顧客こそ、
あなたのお客さんになることが多いのです。
たとえば、弊社はもともと、
一流講演家や著者のセミナーなどを企画・集客する
プロモーションの会社でした。
エッセンシャルという社名の由来もこれです。
ですが、色々とセミナーをしてみると、
「講演家は著者ではなくて、私は相馬さん本人から、
起業や心理学の話を直接聞きたい」
というお客さんの声が多かったのです。
そこで、大きく方向転換(ピボット)して、
いつの間にか今のような会社になったのです。
ほら、化粧品やサプリメントで有名なDHCも、
もともとは「翻訳サービス」の会社でしたが、
方向転換して今の業種になりましたよね。
DHCは大学翻訳センター(Daigaku Honyaku Center)の
頭文字をとったものですから。
このように、予期せぬ成功によって、
業種さえ変える会社が世の中には多々あります。
もし予期せぬ成功を見つけたら、
無視しないようにしましょうね。
それと、成功者の中には「最初から狙って成功した」と
自分の洞察力を自慢する人もいますが、
そういった話には気をつけてください。
詳しく話をきいてみると
実際には予期せぬ成功をもとに
方向転換をしていることが多いですので。