こんにちは。
相馬一進(そうまかずゆき)です。
今日、こんなことを聞かれました。
「セルフイメージ(自己像)という概念を
最初に提唱した人って誰なんですか?
マックスウェル・マルツ(ドクター・モルツ)ですか?」
いいえ、違います(笑)。
そもそも、マックスウェル・マルツは
心理学者ではなく、美容整形外科医ですから、
提唱できるはずがありません。
マックスウェル・マルツというのは、
「セルフイメージ」の教材を販売して、
お金を稼いだ医者ですね。
アメリカだとダン・ケネディの会社が、
日本だとナポレオン・ヒルの会社が
マックスウェル・マルツの自己啓発の教材を販売しています。
「セルフイメージを高めれば、夢が叶う」
みたいな、与太話を広めたのは彼ですが、
最初の提唱者は違う人物です。
セルフイメージという概念を最初に提唱したのは
ジョージ・ミラーという、認知心理学の教授です。
彼が、1960年に出版した、
『プランと行動の構造』という本で、
セルフイメージについて提唱しています。
また、私たちの人生は、セルフイメージのとおりになる、
という「サイコ・サイバネティクス」という理論も
この本で初めて公開されました。
詳しく知りたい場合は、原著が出た20年後に
日本でも翻訳書が出ているので、読んでみてください。
『プランと行動の構造─心理サイバネティクス序説』
G.A.ミラー (著)
※この頃は、「サイコ・サイバネティクス」ではなく、
「心理サイバネティクス」と訳されています。
自己啓発の世界って、販売ページに書いてあることを
そのまま「うのみ」にするお客さんが多くて、
あきれてしまいます……。
騙す方も騙す方ですが、
騙される方も騙される方だな、と思います……。