こんにちは。
相馬一進(そうまかずゆき)です。
私自身、散々出版にたずさわってきて、
こんなことを言うのもおかしいのですが……
「出版したい」と言っている人って、
その多くが、本当は自己顕示欲を満たしたいだけ、
と私には感じられます。
そもそも、なんで出版したいのでしょうか?
出版をすることで、本業の売上を増やしたいから?
いや、インターネットで普通にマーケティングをした方が、
出版をするよりも、よっぽど売上が伸びますよね。
著者のマーケティング力がないだけです。
世の中に、伝えたい情報があるから?
いや、メールマガジンで書いた方が
よっぽど伝わりますよね。
ほとんどの本なんて、1万部も売れないのですから。
本を書くのが夢だから?
あなたの夢と引き換えに、本を作る紙のために
木が切られ、地球環境が壊れていますよ。
それは素晴らしい夢ですね。
出版部数を増やしたいから?
読者を舐めるな、馬鹿。
正直なところ、今の自分自身があるのは
「本のおかげ」と心の底から思っているので、
出版業界が衰退していくのを見るのは残念なんですよね。
2012年に、幻冬舎という出版社の社長である、
見城徹(けんじょう・とおる)氏が、
「うちの会社は、あと5年で利益がゼロになる。
それまでに新規事業を立ち上げるぞ!」
といった趣旨のことを言ったそうです。
レ・ミゼラブル。
汚い心を持った著者たちが、
出版業界を衰退させている
1つの原因になっているのでしょうね。
志という名の野心。
人間力という名の見栄。
夢という名の自己顕示欲。
しかし、私自身も、出版に携わっていたとき、
そういった汚い心を持っていたことは認めます。
今となっては、赤面の至りであり、
その贖罪として、この記事を書いているのです。
願わくば、出版業界が、少しでも、少しでも長く、
良い状態が保てますように。