
こんにちは。
相馬一進(そうまかずゆき)です。
今回は、「このせいでやる気出ない!」の
第3回目です。
第1回目と第2回目では、
やる気が長続きしない理由と、
長続きさせるためには何が必要かをお伝えしました。
簡単に言うと、持続的なやる気には
「快楽」と「やりがい」の2つの要素が必要であり、
両方を高レベルで満たすことが重要だということでしたね。
では、どうすれば、快楽とやりがいの両方を
高く保つことができるのでしょうか?
第3回目では、いよいよその方法を解説していきます。
具体的には、
うつ病の治療などに精神科でも使われている
「行動活性化」という心理療法です。
私は、これまでに多くの起業家に
この方法を伝えてきました。
その結果、「うつ病ではないけれどやる気が出ない」
「ついつい行動を先延ばしにしてしまう」といった、
多くの起業家たちの行動も改善してきたのです。
あなたもここで紹介する方法を実践すれば、
同じような結果を得られることをお約束します。
とても簡単で効果的な方法なので、
ぜひ最後まで読んでやってみてください。
(第1回目と第2回目の記事も、
まだ読んでいない場合は読んでみてください)
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『 このせいでやる気出ない!(第3回目)』
医者も使うやる気を出す3ステップ
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それでは、
行動活性化の具体的な方法についてお伝えします。
有料級の話なので、集中して読んでください。
行動活性化は、簡単にいえば
「あなたに今、やる気があろうとなかろうと、
行動を起こすことによってやる気を引き出す方法」です。
さらに、
快楽とやりがいの両方が高い行動をすることで、
むなしさやストレスを感じることなく
行動し続けられるというものですね。
この行動活性化は、前述した通り
うつ病の治療などに精神科でも使われている心理療法です。
「へぇー、お医者さんも使っているんだ」
と思ったかもしれません。
そうなんです。
なぜお医者さんも使っているかというと、
「行動活性化は抗うつ薬と同等以上の効果がある」
ということがわかっているからです。
ご参考:
Behavioural Activation for Depression; An Update of Meta-Analysis of Effectiveness and Sub Group Analysis
https://journals.plos.org/plosone/article?id=10.1371%2Fjournal.pone.0100100
すごいでしょ?
この論文は、イギリスのダラム大学の研究なのですが、
抗うつ薬の反応率は58%に対し、
行動活性化も58%と同等でした。
それで、行動活性化がすごいのは
2年後のうつの再発率です。
行動活性化は、抗うつ薬よりも
29%も再発率が低かったのです。
そう考えると、薬の副作用のリスクもなく、
お金もかけずに、こういった効果が得られるのは
すごいですよね?
こんな素晴らしい方法を
うつ病患者だけが使っているのはもったいないでしょ?
なので、私は多くの起業家たちにこの方法を伝えて
やる気を引き出してきたのです。
この行動活性化の特徴ですが、3つあります。
特徴1:
抗うつ薬ほどではないが、比較的短期間で
効果が期待できる
行動することによって、
私たちのやる気が出てくるからです。
特徴2:特別な道具やスキルやお金が一切不要
具体的には、紙の手帳か、
スマホのカレンダーアプリがあれば十分です。
お手軽でしょ?
特徴3:自分一人で実践できる
もし、あなたに深刻なメンタルの不調があるなら、
精神科に行くのが良いと思います。
しかし、やる気が出ないとか先延ばしグセ程度なら、
自分1人で行動活性化をしてもよいと思います。
自分1人で行動活性化を行っても、
特にリスクはないからです。
あえてデメリットをあげるなら、
抗うつ薬ほど即効性はないということと、
若干個人差があることくらいです。
だからこそ、
精神科でも行動活性化が使われているのです。
安心でしょ?
エビデンスとして、高麗大学の論文をご紹介します。
興味があれば見てみてください。
Behavioral Activation and Brain Network Changes in Depression
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/38951971/#full-view-affiliation-1
では、早速、行動活性化について説明していきましょう。
この行動活性化はとてもシンプルで、
今からお伝えする3ステップでできます。
エビデンスが強い心理療法は色々ありますが、
その中でもダントツで簡単です。
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ステップ1:自分の行動と感情を1日1回記録する
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私はこれを感情日記と呼んでいます。
紙の手帳か、スマホのカレンダーアプリを使って、
忘れないうちに、1日の最後、夜に記録するのが
おすすめです。
記録する際、注意点があります。
それは、行動と感情をセットで書くことです。
ここでいう感情とは、「快楽」と「やりがい」を
それぞれ10点満点で書くことです。
たとえば、私が今日の10時に
犬の散歩に行ったとします。
そのときに、
快楽が8点、やりがいが7点だったとしましょう。
その場合、「10時 犬の散歩 8 7」と書きます。
8は快楽の8点を、7はやりがいの7点を表しています。
快楽とかやりがいとか書くと、
記録するのがめんどくさくなって続かなくなるため、
あえて数字だけを書いています。
めんどうなのはあなたも嫌でしょ?
ポイントは行動の大小、良い悪いは気にせず、
とにかく記録を続けることです。
慣れてきたら、やった行動だけではなく、
「やろうと思ったけれども、先延ばしにするなどして
やれなかった行動」も書いてみてください。
これをすると、
「自分が先延ばしにしてしまう行動は、
快楽も、やりがいも、両方低い」
という発見が得られるでしょう。
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ステップ2:1週間に1回位の頻度で分析する
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1週間を振り返って、自分はどういった行動だと
快楽ややりがいを感じやすいのか、共通点を考えます。
逆に、自分はどういった行動だと
快楽ややりがいを感じにくいのかについても、
共通点を考えましょう。
これを毎週続けていくと、
自分の能力や性格などの特徴が
だんだんと見えてくるんですね。
たとえば、私の場合、
「起業家のクライアントにコンサルティングをするのは
快楽もやりがいも高いんだなぁ」と改めて感じました。
やってみると、
「薄々感じてはいたけれど、自分ってやっぱり
こういう人間なんだ」と腑に落ちるはずです。
分析する際のポイントは、
自分を責めるのではなく、客観的に分析することです。
「あまり行動できていない」などと自分を責めずに、
「全く知らない赤の他人の共通点探しをしている」
と考えると、客観視しやすくなります。
これならできそうでしょ?
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ステップ3:行動を変える
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ステップ2で発見した、
「快楽とやりがいを感じやすい行動」を
徐々に増やしていきます。
一気に増やすと反動が来るので、
小さなステップで少しずつ増やしていくことが重要です。
とは言え、忙しい中で行動を増やすだけだと、
タスクでパンパンになってしまいます。
ですので、まずは
「快楽とやりがいを感じにくい行動」を減らします。
そして、その減らした分だけ、
「快楽とやりがいを感じやすい行動」を増やすのです。
これなら無理なくできますよね?
減らす方法は、簡単です。
誰かに委任したり外注したり、
機械やツールを使用したりするのもいいでしょう。
そもそもやる必要がなければ
やめてしまってもいいのではないでしょうか。
ポイントは、1日のうち、なるべく多くの時間を
快楽とやりがいの両方を強く感じやすい行動で
満たしていくことです。
それによって、どんどん行動でき、
どんどんやる気が出てくるからです。
最終的に、ステップ1〜3を2か月ぐらい続けましょう。
「2か月も続けるの?」と思うかもしれませんね。
はい。
私が数千人の起業家に行動活性化を伝えた限りでは、
だいたい2か月くらい続けると、
自分のパターンが見えてきたり、
自分の行動を変えられたりするからです。
これ、本当に効果があるのでおすすめです。
今は「面倒くさそうだな」と感じたとしても
絶対あなたにやってほしいです。
ですので、ここで、行動活性化を実践したときの、
私の体験談をビフォー・アフターの形式で
お伝えしましょう。
まず、ビフォーです。
私は昔、自分の感情がよく分からなかったんですよね。
心理学用語でいうところの
「アレキシサイミア(失感情症)」でした。
聞きなれない言葉ですよね。
要は「自分の感情を認知するのが苦手」
という状態です。
なので、10代や20代のときには、
私は周りから「ポーカーフェイスすぎて、
鉄仮面みたい」とよく言われていました。
あとは、
「ロジカルすぎて、感情のないロボットみたい」
といったことは、人生で何十回も言われたと思います。
私が自分の感情がよく分からなくなった理由は簡単で、
幼少期に父親からDVされ続けて育ったからです。
あまりにも辛い経験だったので、
何も感じないようにするために、
自分の感情にフタをするしかなかったのです。
ですので、「『エヴァンゲリオン』に出てくる
綾波レイみたいだ」と言われたこともあります。
綾波レイ、知っていますか?
感情が欠落したキャラクターですね。
でも、誤解しないでほしいのですが、
私は感情が欠落していて無表情だったのではありません。
感情はちゃんと存在していました。
しかし、普段から
感情をガッチガチに抑圧していたせいで、
感情が表情に出てこなかっただけなのです。
そして、いよいよ、
ここからが行動活性化をしたアフターです。
そんな私が変わったのは、
感情日記をつけたからでした。
そうすることで、
段々と自分の感情が分かるようになってきました。
感情日記、すごいでしょ?
最初のうちは、1日の最後に
その日の行動と感情を振り返って初めて、
「あのときは嬉しかったんだな」とか
「悲しかったんだな」と気づいていました。
要は、リアルタイムに
自分の感情が分からなかったんです。
感情を感じてから、自分の感情に気づくまでに
時差が何時間もあったのです。
この感覚、普通はイメージできませんよね?
でも、この感情日記をつけたことによって、
だんだんと時差が減っていきました。
最終的には、たとえば、楽しんでいる最中に
「自分は今、楽しいんだ」というように、
自分の感情にリアルタイムに気づけるようになりました。
私にとっては、
行動活性化をやってよかったことの1つがこれです。
すごい効果でしょ?
ですので、私のビフォーが
ロボットとか鉄仮面だったとしたら、
アフターである今はだいぶ人間らしくなったと思います。
今でも「感情が薄めですね」と言われていますが、
それでも昔よりもだいぶマシなんですね。
私のことを10代や20代から知っている人が、
今の私を見たら「完全に別人だ」と感じるはずです。
ですので、行動活性化は
自分の気持ちがよくわからないという人にもおすすめです。
行動活性化には、
非常に強いエビデンスがあります。
たとえば、ケンブリッジ大学の研究では3,500人の被験者がいます。
Behavioural activation for depression in older people: systematic review and meta-analysis
https://www.cambridge.org/core/journals/the-british-journal-of-psychiatry/article/behavioural-activation-for-depression-in-older-people-systematic-review-and-metaanalysis/A249F7731AFB559019E5503A1A9D569A
これ以外でも、
数千人の被験者を調査した研究はいくつもあります。
合計3つほど、論文のリンクを貼っておきます。
Internet-Based Behavioral Activation for Depression: Systematic Review and Meta-Analysis
https://www.jmir.org/2023/1/e41643/
Cognitive restructuring, behavioral activation and cognitive-behavioral therapy in the treatment of adult depression: A network meta-analysis
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/34264703/
このように、行動活性化の効果は折り紙付きです。
データが存在せず、信頼性ゼロの
自己啓発やスピリチュアルの方法とは違うのです。
ですから、特に、昔の私みたいに、
メンタルが本当に落ち込んでいるような人には、
最新の心理学を実践してもらいたいと思っています。
でも、もしかしたら、
あなたはこう感じているかもしれません。
「たしかにこの方法をやれば、
徐々に自分のやる気が出てきそうだ。
けれども、自分はまさに今、やる気が全然出ないんだ。
そういうときは、どうすればいいの?」と。
ご安心ください。
次回は、「まさに今、やる気が全然出ない」と
悩んでいる人向けの方法を紹介しますね。
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「このせいでやる気出ない!」の第3回目は以上です。
次回は、このシリーズの最終回です。
やる気を出すためのAIツールもプレゼントするので、
ぜひ見逃さないようにしてください。