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物欲のなさアピールの心理

心理学

2021年6月5日

相馬一進


こんにちは。
相馬一進(そうまかずゆき)です。

 

2010年前後くらいから、
「断捨離(不要な物を捨てること)」や
「ミニマリスト(物を持たない人)」
といった考え方が流行りました。

ブランド物を集めるバブル時代の価値観が古くなり、
「持ち物が少ないほうがカッコいい」と
多くの人が考えるようになったのです。

 

 

その影響もあってか、
2010年以降から増えた現象があります。

それは、「物欲のなさアピール」です。

 

これは私の感覚なので厳密なデータはないのですが、
自分の物欲のなさをアピールする人が、
世の中に多くなったと感じます。

「私ってブランド物に興味ないんだよね」などと
聞いてもいないのに誇示する人が増えたと
あなたも思いませんか(笑)?

 

それで、私が興味深いと思うのは、
こうした物欲のなさアピールの心理です。

というのも、現代で物欲のなさをアピールをする心理と、
バブル時代にブランド物をアピールした心理は、
本質的には同じなのです。

 

なぜなら、どちらも主流の価値観に合わせて、
自分の優位性をアピールしているからです。

意味、わかりますか?

 

そもそも心理学的に「物欲」という欲はありません。

有名なマズローの5段階欲求説をはじめに、
心理学にはいろいろな欲求の学説がありますが、
「物欲」という概念はないのです。

 

「生理的欲求」とか「社会的欲求」などの分類はあれど、
「物欲求」はありません。

「快適に暮らしたい」とか「優位に立ちたい」
といった欲求があるだけで、
“物”はその手段でしかないのです。

 

ブランド物に関しては、
承認欲求であるとほぼ言えるでしょう。

 

バブル時代はブランド物を持ったほうが、
自分の優秀さ(お金を稼ぐ能力)示せました。

 

しかし、現代ではブランド物を捨てたほうが、
自分の優秀さ(ブランドにからめ取られない賢さ)を
示せるのです。

 

ほとんど同じ承認欲求を持ちながら、
結果的には正反対の行動をしているのが、
興味深いですね。

 

ただし、現代においてはブランド物を買えないような
経済的にあまり豊かではない人が、

・そんな自分をなぐさめるために
・そんな自分を正当化するために

ミニマリズムになっている場合があります。

 

哲学者ニーチェは、これを奴隷道徳と喝破しました。

 

いずれにせよ重要なのは、
自分らしく生きることだと私は考えています。

 

たしかに、他人の目を気にして、
欲しくもない物を買うのはムダな行為でしょう。

ただ、他人の目を気にして、
欲しい物を買わないのも同じくらい愚かです。

 

このようにフラットな視線で
自分の欲求と向かい合ってほしいと思います。

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