こんにちは。
相馬一進(そうまかずゆき)です。
前々回、こんなクイズを出しました。
↓
あなたは、二千円の、ある映画を見ようと映画館に行きました。そのとき、パターンAか、パターンBのどちらかの出来事が起きたと仮定します。
パターンA:
映画館についたとき、その映画の「前売りチケット」をなくしていたことがわかりました。
パターンB:
映画館についたとき、財布の中の「二千円札」をなくしていたことがわかりました。
では、このとき、パターンAとパターンB、どちらの方が、チケットを買う可能性が高いでしょうか?
それでは、この答えを発表します!
このクイズの答えは……
パターンBの方です。
それにしても、面白いですよね。
金額的には、どちらも同じなので、
合理的に考えたら、どちらも同じ反応をするはずです。
……ですが、人の心理のおもしろきこと、
パターンBの方を選ぶ人が多いのです。
では、別のクイズを出してみましょうか。
あなたが、家電量販店で、ある商品を買うつもりでレジの列に並んでいる時、あなたの友達が、
「このお店のとなりにある家電量販店の方が
その商品を、今、もっと安く売っているよ!」
と、有益な情報を教えてくれました。
あなたは、どちらのパターンのときに、レジで並ぶのをそこでやめて、となりの家電量販店に行く可能性が高いと思いますか?
パターンA:
あなたが買おうと思っていた9,800円のドライヤーが、となりのお店では5,800円で売っていることを友達に教えてもらったとき。
パターンB:
あなたが買おうと思っていた299,800円のななめドラム洗濯乾燥機が、となりのお店では295,800円で売っていることを友達に教えてもらったとき。
どちらも4千円の割引なので、
合理的に考えたら、どちらも同じ行動をとるはずです。
……が、パターンAよりも、パターンBの方が
となりのお店に行く確率が低いはずです。
そう、心理学的に重要なのは、
割引“額”ではなく、
割引“率”なのです。
ちなみに、人間30%以上の割引率だと、
「相当に安くなっている!」と感じます。
→ パターンAのドライヤーはこれに該当します。
一方で、30%以上の値上げだと、
「買う気も起こらない、論外だ」と感じます。
そして、5%の値上げでも、値下げでも、
ほとんど、購入率に変化はありません。
→ パターンBの洗濯機はこちらに該当します。
人間の心理は、
5%以下の値上げ、値下げには、ほとんど反応しないものの、
30%以上の値上げ、値下げには、かなり敏感に反応する、
ということです。
つまり、5%の値上げをしたとしても
売れ行きはほとんど変わらないため、
かなり利益が増えるということになります。
これが、利益を一瞬で増やす方法。
なぜなら、値上げした5%の分は、
そっくりそのまま利益になるからです。
※ちなみに、値上げをするときは、
もっともらしく聞こえる理由を
顧客に伝えて下さいね。
心理学や脳科学というのは、
何かを習慣化するとか、そういったことだけでなく、
マーケティングやセールスにも使えます。
あなたは、こういった心理学ネタに
ご興味はありますか?
ご要望が多ければ、またご紹介しますね。