こんにちは。
相馬一進(そうまかずゆき)です。
以前の私は、コピーライティングの本を
たくさん読んでいたのですが、
最近はあまり読まなくなってしまいました。
それは文章の力だけで社会を変えることが
むずかしいと感じているからです。
ビジネスという点だけで考えてみても、
マーケティングや組織化をきちんとしないと
世の中に貢献できないと感じています。
とはいえ、文章の力で
世の中を変えることができるかもしれない!
と感じたコピーがあります。
それは、私の人生で出会った中で最強のコピーで、
こちらになります。
「持続可能な全世代型社会保障制度」。
これは経団連が2018年5月に発表したコピーですが、
本当にすごいと思いませんか?
これ、カンタンに言えば、
「あなたの年金を極限まで減らしますよ」
ということです。
しかし、もしこのまま伝えてしまうと、
「私を殺す気か!」と高齢者はとくに反対するでしょう。
ですが、「これから生まれてくる子や孫のために
持続可能な社会保障制度(≒年金)にしましょう!」
と言われると思わず賛成したくなってしまいます。
言っていることは、どちらもまったく同じです。
全世代で持続可能な社会保障をするためには、
私たちの年金を極限まで減らすしかないからです。
それなのに、受ける印象が両者で正反対です。
要は、「持続可能な全世代型社会保障制度」というコピーは
文章の力で日本を変える可能性があるのです。
もし日本が持続可能な社会保障になったら、
さらに良い社会になっていくと私は信じています。
ですから、この言葉を考えたコピーライターは
文章の力で社会を変えたと思いますね。
文章の力って、こういうことのために使うんだなあと
改めて感じました。
コメント
相馬さん、こんにちは。
講座でお世話になっている者です。
同じことを言うのに、コピーでこんなにも印象が違うのですね。
自分の仕事に落とし込んで考えると、同じことを言うのに、表現を変えれば、印象が全く違ってくるということですね。相手のためを思ったら、いかようにでも言い方を変えられるといいということだと、理解しました。
昨日、習い始めだが、マナーがあまりにも悪く、心中辞めてもらおうと思っていたお客さんに、自分の教室の方針と目的(「何よりも、お子さん自身のために言っている」ということ)を話し、受け入れられなければ他の教室をとやんわりおすすめしてみたら、あっさり条件を受け入れて続けることになりました。
最初は、ストレートに言って断ろうかなどと考えていましたが、同じ内容でも、言い方を変えるとこのように違うものかと驚きました。
相馬さんの記事は、いつもいろいろ勉強になります。
それでは今後も配信楽しみにしています!よろしくお願いします。