こんにちは。
相馬一進(そうまかずゆき)です。
あなたは、20歳代で知性の発達が止まると考えていませんか?
もしそうだとしたら、それは大きな誤りです。
教育について学び続けている人であれば
誰もが到達するであろう1つの高みとして、
ロバート・キーガン教授がいます。
彼はハーバード大の教育学の世界的権威であり、
キーガン教授を知らなければモグリです。
彼の研究結果の中でも有名なフレームワークとして、
「知性の3段階」という概念があります。
これによって、知性の発達は20歳代で止まらず、
生涯を通じて成長しうることを示しました。
▼知性の3段階 最上層:自己変容型知性 ↑ 中 層:自己主導型知性 ↑ 最下層:環境順応型知性
漢字ばかりで面倒くさそうに感じるかもしれないので、
ざっと解説しましょう(笑)。
まず、最下層の環境順応型知性とは
まるでクラゲのように主体性を持たず、
周りに流されてしまう考え方です。
自己啓発書『7つの習慣』で言えば、
依存のレベルと言えるでしょう。
良く言えばチームプレイヤーなのですが、
悪く言えばただの指示待ち人間です。
そして、CEOはこのレベルの人が0%なことがわかっています。
おそらく、クラゲのようなマインドではCEOになれないか、
あるいはCEOになったらこのマインドを捨てないと
死に絶えるからでしょう。
そして、中層が自己主導型知性です。
これは主体性を持ち、自分の価値観をコンパスとして
自分自身を動かせる考え方です。
『7つの習慣』で言えば自立のレベルですが、
これでもまだ不十分です。
残念ながら、CEOの多くが
このレベルで止まってしまっているのです。
そして、最上層が自己変容型知性で、
周りの状況にあわせて自分のパラダイム(価値観)を
逐次変えられる考え方を指します。
私の講座『お金の心理学』で伝えているのも、
まさにこの考え方です。
これは相互依存のレベルであり、
1つのパラダイムに縛られることはありません。
「今の自分のパラダイムだとどこで限界にぶつかるのか、
どんな矛盾が生じうるのか」にも気づいているからです。
成人でこのレベルに到達しているのは
人口比でわずか1%程度ということが
2つの大規模な研究で明らかになっています。
http://psycnet.apa.org/record/1994-97625-000
https://dlib.bc.edu/islandora/object/bc-ir:100709/datastream/PDF/view
それで、ここからが本題です。
教育者にとって必要不可欠なこととは
「生徒を最上層の自己変容型知性へと変えられること」
と私は信じています。
つまり、やり方だけを伝えている教育者は
教育者としては下の下です。
最下層の環境順応型知性の人(情報弱者)の多くは
やり方ばかりを強く求めますが、
彼らが欲するものを与えてはいけない。
それだけでは、彼らの人生は変わらないからです。