こんにちは。
相馬一進(そうまかずゆき)です。
「怠け者がお金持ちになる方法」というタイトルを読んで
もしあなたがピンと来たのであれば
マーケティングをちゃんと勉強している証拠でしょう。
逆にピンと来なかった人は、
マーケターとして完全に勉強不足で実力不足です。
このコピーは往年の有名コピーで、
コピーライティングの世界では超有名だからです。
これを書いたのはジョー・カーボというコピーライター。
彼は「怠け者がお金持ちになる方法」という広告を出し、
自分の本を300万部売ったという伝説を打ち立てたのです。
このコピーは次のように続きます。
(日本語訳) 怠け者がお金持ちになる方法 大多数の人は働くことに忙しくて、お金を稼ぐ余裕がありません。 私は重労働をしていました。1日18時間。週7日。 しかし、仕事をかなり減らすまでは、大金を稼げませんでした。 ※以下略 (原文ママ) The Lazy Man’s Way to Riches Most people are too busy earning a living to make any money. I used to work hard. The 18-hour days. The 7-days weeks. But I didn’t start making big money until I did less-a lot less.
さて、このコピーを有名にしたのは、
「常識から考えると矛盾する概念」を
繰り返し書いて注意を引いていることです。
・怠け者がお金持ちになる
・忙しく働いても、お金を稼げない
・仕事を減らしたら、大金を稼げた
この3連続の矛盾する概念を読むと、
「えっ、どういうこと?」と
不快感(軽い混乱など)を私達は持ちますよね。
この「矛盾した認知を抱えた時にうまれる不快感」を
認知的不協和と言います。
そして、その不快感を解消しようとして、
思わずコピーを読み進めてしまうというわけです。
最終的には、ジョー・カーボの本を
300万人が買ってしまったのです。
ですから、認知的不協和のコピーの例として、
コピーライティングの世界では有名なんですね。
ちなみに、このジョー・カーボというコピーライターは
けっして怠け者ではなく、
それどころかハードワーカーでした。
つまり、怠け者がお金持ちになる方法なんて
実際には存在しないのです。
ジョー・カーボがコピーライターとして
活躍していたのは今から40年ほど前ですが、
いつの時代も情報弱者はからめ取られるのですね(笑)。
つまり、怠け者がお金持ちになる方法も、
情報弱者がお金持ちになる方法も、存在しないのです。