こんにちは。
相馬一進(そうまかずゆき)です。
私は常々、プラス思考とマイナス思考を使い分けるのが
正解だと言い続けてきました。
つまり、いつもプラス思考でいることは
害悪だと言いたいのです。
ご参考:プラス思考は嘘
しかし、世の中のマス層はそういったことを知りません。
ゆえに、マス向けのマーケティングでは
プラス思考な商品名で売るのです。
具体例を出すと、少し前に実業家の堀江貴文さんが
『ゼロ』という本を出しました。
堀江さんは100万部を狙って出版したのですが、
残念ながら43万部ほどで本の売れ行きが止まりました。
このことについて、かの名プロデューサーの秋元康さんは、
次のように言ったそうです。
「このタイトルでは50万部は売れるけれど、
100万部は売れない」と。
それは、タイトルがプラス思考ではないからですね。
別の例だと、昔、秋元さんがプロデュースするAKB48が
『恋するフォーチュンクッキー』という曲を出しました。
この曲の歌詞は、「未来はそんな悪くないよ」など、
とてもプラス思考ですよね。
ヒットした理由の1つはそれでしょう。
あとは、水野敬也さんという作家が、
自己啓発のシリーズ本を出したことをご存知でしょうか。
『人生はワンチャンス!』という犬の表紙の本(1作目)と、
『人生はニャンとかなる!』という猫の表紙の本(2作目)です。
どちらもほぼ同じコンセプトですが、
前者は約50万部売れたのに対し、
後者は約100万部で止まってしまいました。
日本のペット数のデータを見てみると、
飼い猫と飼い犬の数はほぼ同じですから、
猫と犬の人気の差はほとんどありません。
この売れ行きの差は、タイトルのちがいでしょう。
『人生はワンチャンス!』はネガティブ思考ですが、
『人生はニャンとかなる!』はプラス思考ですから。
付け加えて言うと、シリーズ本というのは通常、
1作目に比べて2作目はかなり売れ行きが下がります。
それにもかかわらず、このシリーズ本だけは
『人生はニャンとかなる!』が2作目なのに
1作目の約2倍売れているのです。
それだけ、プラス思考のタイトルは
マス層をからめ取る効果があるわけですね。