こんにちは。
相馬一進(そうまかずゆき)です。
いきなりですが、思考実験のクイズを出します。
答えを考えてみてください。
Q. あなたのご両親が資産家だったとします。
最近、そのご両親が亡くなってしまって、
お葬式などの大変なことが一通り済んだ後に、
あなたに1億円の遺産が入ってきたとしましょう。
その時にあなたはどんな行動をしますか?
なぜ、このクイズを出題したかというと
実は過去に私は、セミナーの参加者に
これと同じような質問をされたからです。
それに対して私はこんな回答をしました。
A. まず、遺産に手をつける前に
「自分がなぜ遺産を受け取ってもいいのか」、
その理由を紙などに書けるだけ書いてみてください。
そして、「私はこの遺産全額を受け取るに値する!」
と感じられるまで、これを続けてください。
たとえば、それだけの遺産を残すということは
おそらくご両親はかなりの変人であったり、
性格がおかしい人だったりしたかもしれません。
また、それだけの資産を貯めるために
ご両親がいつも仕事に没頭していたために
幼少期にあまり愛情をくれなかったかもしれません。
そういったことに対しての慰謝料や我慢料として
「私はこの遺産全額を受け取るに値する!」
という感覚が得られるまで、書き続けてください。
私は、上記のようなフィードバックをしたのです。
その理由は、ノーベル経済学賞を受賞した
リチャード・セイラーがメンタルアカウンティング
(心の勘定)とよんだ発見です。
私たちは、仕事などで汗水たらして稼いだお金は
とても大切に使おうとする一方で、
ギャンブルなどで手に入ってしまったあぶく銭は
ムダ使いする傾向があるという概念です。
つまり、お金には色があるのです。
もし前述の参加者が、1億円の遺産に対して
「これは、あぶく銭だ」という感覚を持っていたら、
あまり考えずにすぐに使ってしまうでしょう。
ですので、私はメンタルアカウンティングを
切り替えようとしたのです。
「遺産の1億円は慰謝料や我慢料だ」と感じられたら
ムダ使いをしなくなるからです。
ちなみに、これは遺産だけに限りません。
ギャンブルなどのあぶく銭が手に入ったときも、
「このお金の全額を、私は受け取るに値する!」
と感じられるまで、使わないほうがいいでしょう。
「宝くじの当選者は、すぐにその全額を使い果たす」
というデータはあなたもご存知だと思いますが、
それはこのメンタルアカウンティングが理由なんですね。