こんにちは。
相馬一進(そうまかずゆき)です。
会社員の人が起業や転職をしようとして辞表を出すと、
同僚や上司など、周りから批判されることがあります。
なぜでしょうか?
私はこの現象は、
「暴走族を脱退しようとするメンバーへの制裁と同じ」
と思っています。
暴走族に限らず、ヤクザや破壊的カルトなどって、
そこから脱退しようとすると見せしめの制裁を受けますよね。
その理由はシンプルで、そのメンバーたちは
「俺は、世の中に対して悪いことをしている……」
と薄々気づいていて、罪悪感があるからです。
ですが、その現実は直視したくない。
つまり、現実逃避をしながら
反社会的な活動をしているのです。
そこに、
「こんな悪いことはもうしたくない!」
と、メンバーから脱退しようとする人が出てくると、
いやおうなしに、自分が反社会的な活動をしている現実を
直視させられるのです。
それによって生まれる罪悪感がとても心地悪いので、
脱退しようとする人に対して制裁をするわけです。
ですから、反社会的な組織であればあるほど
抑圧された罪悪感も強くなってしまうので、
脱退しようとするメンバーへの制裁が
厳しい見せしめとなるわけですね。
暴力やリンチ、指をつめる、
といったことさえおこなわれてしまいます。
そして、会社員が退職しようとしたときに受ける批判も
これと同じ構造です。
ある会社において、そこに勤める多くの人が
「こんな嫌な会社を辞めて、起業や転職をしたいなぁ」
と考えていたとしましょう。
しかし、勇気がなくて誰も行動に移せなかったとします。
そんな折、あなたが勇気を出して会社を辞め、
「こんな嫌な会社では、もう働けません!」
といって、起業や転職をしようとしていたら、
周りの人はどんな気持ちになると思いますか?
彼らは勇気がない自分自身を、
あなたの行動を通して直視せざるを得なくなります。
つまり、周りの人は、あなたの行動によって、
「私は勇気がない人間なんだ……」
という敗北感を持ってしまいます。
そこで、退職しようとしているあなたを批判することで、
自分の心地悪さを払拭しようとするのです。
この意味、わかりますよね。
暴走族などの場合は、反社会的な活動をしている
自分自身を直視して生まれた
「罪悪感」
を払拭するために、脱退しようとする人に制裁を加えます。
一方で会社員は、起業や転職をする勇気がない
自分自身を直視して生まれた
「敗北感」
を払拭するために、退職しようとする人を批判します。
これらはいずれも防衛機制なのです。
もちろん私がおすすめしたいのは、
たとえ周りから制裁や批判を受けたとしても、
自分の気持ちに基づいて行動することです。
そうしないと、人生の最期で後悔することになるでしょう。