こんにちは。
相馬一進(そうまかずゆき)です。
今日は、少しマニアックなネタなので、
Oリングテストを知っている方だけ読んでください。
アンソニー・ロビンズに代表されるような、
人生の役に立たない自己啓発セミナーにいくと、
筋反射テストとよばれるワークが行われます。
筋反射テストというのは、読んで字のごとし、
筋肉の反応を見るテストのことです。
方法はいくつかあるのですが、
左手の親指の腹と人差し指の腹をくっつけて、
アルファベットのOの字を作る方法もあれば、
(これを通称、Oリングテストと言います)
左手を、ヒジを伸ばした状態で、
手のひらを下にして、左に向かって
肩と同じ高さまで上げる方法もあります。
それで、何をするのか?
被験者に「私はできない」とか「私は失敗する」と
ネガティブな単語を言ってもらい、
どのくらい力が込められるのかをはかるのです。
Oの字を作る方法であれば、
親指と人差し指を第三者が引き離すのに
どれくらいの力が必要なのか? を調べるのです。
あるいは、後者の方法であれば、
第三者が手を下に下げるのに、
どれくらいの力が必要なのか? を調べるのです。
ネタばらしをすると(笑)、
被験者にネガティブな単語を言ってもらうと、
あまり力が入らない、ということが起こります。
そこで、自己啓発の講師たちは
このように言うわけです。
「ネガティブ思考をやめよう!」と。
これは、自己啓発の業界がよく使う、
「典型的なトリック」ですね(笑)。
たしかに、筋反射ではネガティブ思考をすると
力が出ないという結果が起こります。
でも、だからといって、
ネガティブ思考をやめた方がいい、
という結論を出すのは愚か者がすることです。
なぜなら、ビジネスやダイエットなどで
目標達成をするときには、
ネガティブ思考の人の方がパフォーマンスが良い、
ということが心理学的に証明されているからですね。
直感的には、ヒューリスティックによって
「ネガティブ思考は悪い」と信じてしまいがちですが、
実際にデータや数値で検証すると、真実は違うのです。
まあ、天動説と同じようなものですね。
普段生活している分には、
地球が回っているのではなく、
太陽が地球のまわりを回ってくれているように感じます。
ただ、実際にデータや数値で検証すると、
回っているのは地球だということが分かります。
Oリングテストとか筋反射テストというのは、
目標達成の確率をデータや数値で検証しない人を
だますための自己啓発のトリックなのです。