こんにちは。
相馬一進(そうまかずゆき)です。
インターネットのおかげで、私たちは多くの情報に
アクセスできるようになりました。
その一方で、知識がタコツボ化している人を
たくさん見かけるようになりました。
たとえば、以前お会いした人は、
こんなことを言っていました。
「部下が、ネガティブ思考で困るので、
ポジティブ思考になる方法をネットで調べている」と。
こういう人は救われないですね。
私からすると、部下の人が可愛そうです。
おそらく、「ポジティブ思考は良いものだ」という
おかしい前提がその人の頭の中にあるのでしょうね。
だから、自分の考えに合っている情報を
ひたすらネットで検索しているのです。
ネットを探せば、ポジティブ思考になるための
自己啓発やスピリチュアルなど、疑似科学の情報が
たくさん見つかるので、それで、
「ポジティブ思考は良いものだ」
という自分自身の思い込みを
どんどん強化してしまっているのです。
分かりますか?
ネットというのは、無限に情報があるので、
間違った前提であっても、それを裏付ける情報が
いくらでも手に入ってしまうのです(笑)。
前述の上司の例で言えば、自分の前提をうたがって
ポジティブ思考が間違っていると気づかない限り、
延々とポジティブ思考の知識を手に入れてしまうでしょう。
心理学の世界では、ネガティブな感情があった方が
パフォーマンスが上がるということが分かっていて、
たとえば、こんな本も出ています。
『ネガティブな感情が成功を呼ぶ』
ロバート・ビスワス=ディーナー (著),
トッド・カシュダン (著), 高橋由紀子 (翻訳)
この本にも書いてある通り、
ネガティブとポジティブの黄金比は20:80であり、
ネガティブがあった方がいいのです、実は。
ネガティブは部下は、会社全体のバランスを
20:80にするために必要な存在なのですね。
ですから、自己啓発の講師が
100%ポジティブ思考がいいとか、
スピリチュアルの講師が、
ポジティブとネガティブは50:50がいいとか、
色々と言っていますが、
あれらは全部、真実とは違うことがわかりますね。
ネットというのは、愚者をさらに愚者にし、
賢者をさらに賢者にするツールなのです。
自分の知識や前提、やってきたことを
疑えない人はどんどん愚者になっていきます。
逆に、それができる人は賢者になりますね。