こんにちは。
相馬一進(そうまかずゆき)です。
本屋さんに行ったとき、
猫も杓子も「アドラー心理学」の本ばかりで、
辟易してしまう時期がありました。(笑)
この「アドラー心理学」ブームの火付け役になったのは
『嫌われる勇気』という本です。
ご参考:
『嫌われる勇気───自己啓発の源流「アドラー」の教え』
岸見 一郎 (著), 古賀 史健 (著)
この本が60万部以上の大ヒットになって以降、
どの出版社も、
「とりあえず、アドラー心理学の本を出せ!
出せば、最低1万部は売れる!」
とばかりに、関連書籍が異常に出まくりました。
正直、食傷気味です。(笑)
とは言え、いい機会ですので、
今日はマーケティングの勉強ということで、
トレンドについて考えてみましょう。
あなたは、この本が流行った経緯は何だと思いますか?
この問いの答えは、私なりの仮説なのですが、
「Facebookなどの、SNS疲れの人が多いから」
です。
例えば、
「コメントをしてくれた人に対しては
コメント返しをしなければいけない」
と、強迫的に思い込んでいたりとか、
常にまわりからの反応を気にしてしまったりとか、
そういったことで疲れてしまった人が多いのでしょう。
SNSの登場で、人類史上、かつてないほどの
衆人環視の状態になり、それによって、
人付き合いに疲れている人が増えているのです。
そこに来ての、『嫌われる勇気』だからこそ、
「嫌われて、人付き合いから自由になりたい!」と、
大ヒットしたのだろう、というのが私の仮説です。
さらに、SNS疲れの前提にあるのは、
3.11の震災以降、時代の振り子が
「絆(きずな)」の方に過剰に振れたから。
震災 → 絆(人付き合い) → SNS疲れ → 嫌われる勇気
という流れです。
ある意味で、「絆」のアンチテーゼ(反対)が、
『嫌われる勇気』という訳です。
では、あなたに質問です。
この本の、「次のブーム」には何が来ると予測しますか?
これは私の予想ですが、来年あたり、
再度、「絆」や「つながり」に戻ると思っています。
『嫌われる勇気』で、多くの人が孤独になって、
今度は孤独が苦しくなって、時代の振り子が
「絆」という場所に戻るというのが理由です。
このように、マーケターというのは
常に時代を先読みしていくのが仕事なのです。