こんにちは。
相馬一進(そうまかずゆき)です。
あなたは、イヌイット(エスキモー)が使っている言語で、
「雪を表す単語」がいくつあるかご存知でしょうか?
3語? 5語? それとも7語?
いいえ。
なんと、その数、12語を超えるというのです。
私たち日本人の感覚からすると、
はるかに多い単語の数で雪を表していますよね。
例えば、イヌイットが氷の家を作るときには、
氷の家に適した雪でないと、落盤して潰されてしまうので、
いくつもの単語で、雪を区別しているのです。
このように、雪に限らず、
「違い」がどれだけ分かるかが「知能」なのです。
……といったことが、
自己啓発の世界ではよく語られますが、
このイヌイットの話は嘘です。(苦笑)
この嘘を吹聴していることで有名なのは
アンソニー・ロビンズというコーチで、
彼は、このように言っています。
Inuit have over a dozen words for “snow.”
Why?
Because in their environment, their culture,
they have to if they want to
achieve specific outcomes.
そう、彼はイヌイットはdozen(12)を超える
雪の単語があると言っているのです。
しかし、実際は、イヌイットが雪を表す単語数は
たった3語しかありません……。(苦笑)
詳しくは、
『言語のレシピ──多様性にひそむ普遍性をもとめて』
マーク・C.ベイカー (著), 郡司 隆男 (翻訳)
を読んで頂くとわかりますが、
「実際には、エスキモー族が雪をあらわすのに用いる単語は、
普通のスキーヤーよりも少ない」
とのこと。
イヌイットの、雪を表す単語は4語あるものの、
そのうちの1語は、残りの3語のうちの1語の派生系で、
実際には、3語とすることが多いのです。
あなたは、これについて、どう感じますか?
私としては、こんな嘘ばかり言っているから、
自己啓発が信用されないのだと思うのです。
以前私は、ブログで、
というタイトルで、他の自己啓発の嘘についても書いたので、
まだ読んだ事がないのでしたら、
ぜひ読んでみて下さい。
結局のところ、自己啓発業界は、真摯になって
こうした嘘や間違いを1つ1つ修正していかないと、
世の中から認められる日は来ないだろうと思うのです。
こういったことが、私が自己啓発の本やセミナーを
私のクライアントに勧めない一番の理由ですね。