こんにちは。
相馬一進(そうまかずゆき)です。
視点の低い人にありがちなことがあります。
それは、誰かたった1人だけを敵視したり、
悪者だと思ったりしていることです。
「あの1人の政治家のせいで、世の中は悪くなっている」
などと言うわけです。
こういった人は視点が低い。
なぜなら、大抵の場合において本当の黒幕は、
世の中の「構造そのもの」だからです。
言い換えると、世の中の構造が変わらない限り、
誰か1人が退場しても状況は変わりません。
たとえば、北朝鮮について考えてみてください。
2011年まで北朝鮮の最高権力者は金正日でした。
独裁者である金正日を支持する日本人は
ハッキリ言ってあまりいなかったでしょう。
「あいつが暗殺されれば、北朝鮮は変わるかも」
などと言っていた人もいたほどです。
一見すると、最高権力者が変われば、
外交問題が解決に近づくように感じるからです。
では、実際に金正日が退場したらどうなったか?
結果はあなたも知っていますよね?
金正日退場のあとは、代わりに息子の
金正恩が最高権力者の座を引き継いだだけでした。
外交問題なども含めて何も解決していません。
なぜなら、北朝鮮の社会制度や
国際社会でのパワーバランスが変わっていないので、
変化が起きないのです。
このように誰か1人が敵に見えても、
実際の問題は「構造そのもの」にあります。
これは、ビジネスでも同様です。
「あいつさえいなければ仕事が上手くいくのに」とか
「あの会社が潰れれば自社が伸びるのに」
などと感じても、大抵は幻想にすぎません。
関係者の利害関係、業界の仕組み、
お客さんの行動、自社のリソースといった「構造」が
問題を作り出す本当の黒幕だからです。
ですから、あなたも誰か1人を敵視するのではなく、
構造を見抜いた上で解決に取り組んでみてください。
もし誰か1人が黒幕に見えていたとしたら、
構造が見抜けていない証拠であり、
視点が低くなってしまっています。
相馬一進