こんにちは。
相馬一進(そうまかずゆき)です。
私が今まで多くの起業家を育ててきて感じているのは、
「起業に大志とか使命とかは100%不要」ということです。
たしかに、ソフトバンクの孫正義さんのような
大志や使命を持ってビジネスをしている人もいます。
しかし、大志とか使命といったものは
ビジネスを何十年間も続ける経営に必要なのであって、
起業、つまりビジネスのスタート段階では不要なのです。
事実、孫正義さんは今、「デジタル情報革命」という
錦の御旗(みはた)を会社の理念にかかげていますが、
これはここ数十年だけです。
孫正義さんが起業した当初は
こんなことは言っていませんでしたから。
そういえば、こんなことを思い出しました。
北海道の銅像で有名な、かのクラーク博士は
「少年よ大志を抱け」という言葉を残したとされています。
しかし、真実は違います。
クラーク博士は「Boys, be ambitious.」と言ったのですが、
このambitious(野心)という言葉を、
翻訳者が「大志」と訳しただけなのです。
この「Boys, be ambitious.」には
続きがあることをしっていますか?
“Boys, be ambitious!
Be ambitious not for money or selfish aggrandizement,
not for that evanescent thing which men call fame.
Be ambitious for the attainment of all
that a man ought to be.”
「少年よ野心を抱け!
しかし、金を求める野心や、利己的な野心、
名声という束の間のものを求める野心であってはならない。
人間としてあるべき、すべてのものを
求める野心を抱きたまえ。」
しかし、起業というビジネスのスタート段階だけで言えば、
この言葉は全く違うと感じています。
「金を求める野心や、利己的な野心、
名声という束の間のものを求める野心」
だけで成功している起業家を
私は今までたくさん見てきたからです。
「人間としてあるべき、すべてのものを求める野心」
が必要になるのは、起業が軌道にのった後。
ビジネスのスタート段階では
ギラギラとした野心でないとパワー不足ですね。
私も、起業してから9年経ってようやく、
「人間としてあるべき、すべてのものを求める野心」が
ほんの少しだけ理解できるようになってきました。