こんにちは。
相馬一進(そうまかずゆき)です。
以前、私はこんな相談を受けました。
「私は人見知りなのですが、どうすればいいでしょうか?」
これに対する私の答えですが、まず、
「完全に人見知りを克服するのは少し難しい」
ということは、前提として覚えておいて下さい。
なぜなら、人見知りというのは、
動物的な防御機構だからです。
例えば。
野生のサルが、ジャングルの中で
見たこともないような動物に出会ったとしたら、
どんな反応をすると思いますか?
「もしかしたら、この目の前の動物は
肉食動物かもしれない!」
と野生のサルは感じ、距離を置こうとするわけです。
少なくとも、目の前の動物が安全であることが
分かるまでは、近寄ろうとしません。
つまり、人見知りというのは、
人間が長い長い進化の過程で手に入れた、
生存確率を高めるための方法なのです。
見たことがない人(=サルにとっての動物)が
目の前に現れると、人間の脳は「危険」と感じ、
アドレナリンをドバドバ分泌するのです。
すると、このアドレナリンによって
緊張して手足がブルブルと震えたり、
冷や汗が出たり、動機が出たりします。
「私は人前で話すのが苦手です」という人がいますが、
これも人見知りと同じ理由ですね。
目の前に、初対面の人がたくさんいて、
その衆人環視の状況で話すというのは、
どう考えても、動物的には危険な状況です。
ライオンの群れの中で、
サルが一匹だけで立っているような状況だからです。
ですから、あがり症も、人見知りと同じように、
緊張して手足がブルブルと震えたり、
冷や汗が出たり、動機が出たりするのです。
ですので、そもそも完全に克服するのは
少し難しいということは、覚えておいて下さい。
とは言え、動物的な防御機構だからといって、
克服できないわけでもありません。
例えば、動物の味覚において、
酸っぱさというのは、「腐った味」です。
野菜でも、果物でも、腐ると酸っぱくなりますが、
そういった酸っぱい食べ物は口に入れてはいけないものです。
ですから、野生の動物とか、小さい子どもは
酸っぱいものを口にいれようとしません。
しかし、人間は大人になると、梅干しを食べたり、
酢の物を食べたりできますよね。
これは、動物的な防御機構に逆らっている行動、
ということになります。
人見知りもあがり症も同じで、
本来は動物的な防御機構なのですが、
克服することはできるのです。
長くなったので、続きはまた次回書きます。