
こんにちは。
相馬一進(そうまかずゆき)です。
高級ブランドの服やバッグに、
どうしても心が動かない。
そう感じたことはありませんか。
今回から3回にわたって、
高級ブランドに興味がない人の感覚が、
なぜ正解に近いのかを、
心理学の研究をもとにお伝えします。
何を身につけるか迷ったときに、
「相手にどんな印象を与えるか」という物差しで
選べるようになります。
第1回目は、ブランド物を持つと
かえって好感度が下がってしまう理由と、
高級ブランドの値段の多くが、
実は何に払われているのかについてです。
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『高級ブランドに興味ない人は……(第1回目)』
高級ブランドってクソなんです
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あなたはブランド物って好きですか?
「別に興味ないな」とか。
「高いお金を出してまで欲しいとは思わないな」とか、
思いませんか?
でも、世間ではこんなことを言われます。
「いい服を着ている方がきちんと評価して
もらえるよ」とか。
「ブランド物を身につけるだけで、
人からなめられないよ」とか。
そう言われると、
「自分も一つくらい持っておいた方がいいのかな」と
思うかもしれません。
でも結論から言います。
人から好かれるためなら、
別に高級ブランドの服やバッグを
持つ必要はありません。
自分では「ブランド物を持っていれば、
ちゃんとした人に見られるだろう」と思いますよね。
しかし、見る側はそうは思ってくれません。
それどころか、
「この人、自分の話ばかりしそうだな」とか、
「近寄りにくいな」と思われちゃうんです。
これを心理学の世界では、
「地位のシグナルの逆説」と呼びます。
ちょっと何を言ってるのかよくわからないですよね?
簡単です。
多くの人は自分の地位を示すものを見せると
「人から好かれる」と思ってるんです。
あなたは違うと思いますが。
でも、見る側は
それとは逆の判断をすることがわかってます。
つまり、「ブランド物を見せつけるなんて、
ちょっと嫌なやつだな」と思われてるんです。
このように、ブランド物って、
身につける人と、それを見る人の間で、
認識の差がマジで大きいんですよ。
「それ、相馬さんの思い込みじゃないの?」と
思うかもしれません。
そこで紹介したいのが、ミシガン大学の論文です。
ご参考:
The Status Signals Paradox
https://doi.org/10.1177/1948550618783712
研究チームは、高所得者が多く住む街で、
買い物客125人にこんな質問をしました。
「これから新しい友達を作るパーティーに
行くとします。
その際、あなたは高級車と普通の車、
どちらで行きますか?」と。
すると、7割ぐらいの人が
高級車で行くことを選んだんです。
まあ、ここまではわかりますよね。
そして興味深いのはここからです。
次に研究チームは、
別の人たちに2種類の場面を見せました。
1つは「高級車でパーティーに来た人」で、
もう1つは「普通の車でパーティーに来た人」です。
そして、「どちらと友達になりたいですか?」と
尋ねました。
具体的には、「友達になりたい度合い」を
7点満点で評価してもらったんです。
普通の車は5点台の半ばでしたが、
高級車は3点台になっていました。
これ、興味深くないですか?
周りから評価されると思って高級車に乗ると、
友達を作る場面では、
むしろ逆効果になってしまったんです。
「これ、高級車だけの話なの?他でも言えないの?」と
研究チームは考えました。
そこで、服でも同じような実験をしたんですね。
全く同じ白いTシャツを2枚用意します。
片方にサックス・フィフス・アベニューという
名前を入れました。
このお店、知っていますか?
知らないですよね。
ニューヨークの高級百貨店の名前です。
日本で言えば
銀座三越みたいなイメージだと思ってください。
もう一つのTシャツにはウォルマートという名前を
入れました。
ウォルマートは全国どこにでもある
安売りのチェーン店です。
日本では似たようなものがないですが、
ここでは業務スーパーみたいなイメージだと
思ってください。
そこで、その2つのTシャツを着てもらって、
好感度をチェックしたんです。
着ている人も表情も姿勢も全く同じです。
違うのは、ロゴが銀座三越か、業務スーパーかです。
まず、服を着る人の76%が
高級百貨店の方を選んだんです。
つまり、日本で言えば
銀座三越と入ったTシャツを
着ようとしたということですね。
まあ、これは予想通りです。
高級車と同じですよね。
ところが、見る側の評価は逆でした。
なんと6割が、
安売りチェーンのロゴが入ったTシャツの方を
選びました。
その人と友達になりたい、と答えたんです。
こう考えると、人から好かれるためという点で言えば、
高級ブランドってクソなんですよ。
少なくとも、新しい友達を作る場面では、
完全に逆効果なんです。
なのに、自分が買うときには
ついつい選んでしまうという
人間の性(さが)があるんです。
これを聞いて、あなたも思いませんでしたか。
「そりゃそうだろう」と。
そういうふうに考えられるということは、
あなたは賢いということです。
自分が相手の立場に立ったときにどう見えるのかを
客観視できているからです。
でも、多くの人は自分が選ぶ側に回ると
間違えちゃうんですね。
ちなみにこれは友達を作る場面での話です。
仕事の人脈を作りに行く場面では、
この限りではありません。
さて、ブランド物を持つと
相手からどう見えるのかについて、
私も昔は全然理解していませんでした。
だって、私も昔はブランド物を
よく買っていたからです。
というのも、昔は私はかなり自己肯定感が
低かったからです。
「ブランド物のバッグを持てば、
相手から軽く見られないんじゃないか」
そう思っていたんです。
誤解しないでくださいね。
好きでブランド物を買ってる人に対して、
どうこう言うつもりはありません。
物として好きで買ってるんだったら、
それは何でもいいんです。
私が言いたいのはこういうことです。
人に好印象を与えるために
高級ブランドの商品を買うのはやめましょう。
むしろ逆効果になるからです。
見せる側と見る側では、
それだけ大きなギャップがあるんですね。
そして、こうも言いたいんです。
「もしあなたが高級ブランドのロゴに
惹かれないとしたら、
自分を俯瞰して見れている」ということです。
もしくは、「相手の目で自分を見ている」
ということですね。
非常に視点が高いと思います。
昔の私も含めて、
ほとんどの人は自分の視点でしか物が見れません。
ということで、もしあなたが何を着ていくか、
持っていくかに迷ったら、こう考えてみてください。
「これを見せることによって、
相手にどんな印象を与えるだろう?」と。
それだけでも、
選ぶものはかなり変わってくると思いますよ。
次に、高級ブランドの
値段の中身についてお話しします。
あなたは高級ブランドのお店で、
値札を見てどんな気持ちになりますか?
「あれ? ゼロの数多くね?」と思いませんか?
私は「ユニクロだったら、この10分の1、
100分の1の値段で買えるよ」と
思ったことがあります。
だって、ユニクロだったら
1500円で買えるような白いTシャツが、
エルメスだと15万円とかしますからね。
「Tシャツ1枚で15万? 布だぜ?」って
思ったことが何度もあります。
では、高級ブランドの商品には、
実際どれくらい原価がかかっているのでしょうか?
私は会社員時代、
大丸松坂屋という百貨店グループで働いていたので、
このあたりはよく知ってます。
そこで見てほしいのが、
世界最大の高級ブランドグループ、
LVMHの2025年の決算です。
ご参考:
Key figures – LVMH
https://www.lvmh.com/en/investors/key-figures
LVMHとは、
ルイ・ヴィトンやディオールなどを傘下に持つ
高級ブランドグループですね。
その売上を100とすると、原価は34。
つまり、LVMHでは、
売上に対する原価は3分の1です。
「じゃあ、残りの約3分の2は何に使ってるの?」と
思いますよね。
店舗と販売員と広告に37です。
これ、結構大きいですよね。
理由はなんとなくわかると思います。
たとえば東京なら、
銀座のような一等地にお店を構えるからです。
豪華な内装にもお金がかかりますし、
販売員もいます。
さらに広告にもかなりのお金を使います。
そして、本社の運営に7です。
これはまあわかります。
最後、100からこれらを全部引くと、
残った22が利益ということです。
こうして見ると、
極端なぼったくりではないことはわかります。
ただ、店舗代の割合が高いですよね。
このように、高級ブランドを買っている人は、
銀座とかの一等地の店舗代を払っているんです。
そう考えると理解しやすいと思います。
つまり、高級ブランドに興味がない人は、
詳しい数字までは知らないかもしれません。
それでも、なんとなくこれを感じて
いたのかもしれません。
「バカ高い店舗代のせいで、コスパが悪いな」
と感じることは、全然おかしなことではないんです。
むしろ、とても頭が良いと思います。
高級ブランドに惹かれないとしても、
それは何かが足りないからではありません。
人からの見え方も、値段の中身も、
ちゃんと感じ取れているということです。
以上、『高級ブランドに興味ない人は……』の
第1回目でした。
次回は、ブランド物を身につけると、
お金持ちに見えるのと引き換えに伝わってしまう
意外な印象と、人がブランド物を買いたくなる
本当のきっかけをお伝えします。




















