こんにちは。
相馬一進(そうまかずゆき)です。
自己啓発の世界では
「1万時間の法則」という言葉がよく使われます。
これは簡単に言えば
「1万時間の努力をすれば一流になれる」
という法則です。
統計的な裏付けのある法則とされ、
世界的コラムニストのマルコム・グラッドウェルが
著書で解説して有名になりました。
以来、「1万時間の法則」は
多くの本やセミナーで引用されるようになり、
何年も前に私も講座で紹介したことがあります。
しかし近年、この「1万時間の法則」について
残酷な真実がわかってきました。
それは、「1万時間の法則」には、
多くの例外があるということです。
というのも、複数の心理学者の研究で
「必ずしも練習量とパフォーマンスは比例しない」
という事実が明らかになってきました。
専門職、勉強、ゲーム、音楽などを調べると、
「練習しなくても上手い人がいる一方で、
練習しても下手な人がいる」とわかったのです。
有名どころだと、ミシガン州立大学や
プリンストン大学の研究がこの事実を示しています。
ではなぜ、練習量とパフォーマンスが比例しないのか?
これにはいくつもの要因が関係していますが、
非常に大きな理由として、
「遺伝的な個体差」があると言われています。
つまり、遺伝的に得意なことは短期間で結果が出る。
逆に、遺伝的に苦手なことは、
あなたが5年、10年、20年……と練習したところで、
大した結果が出せないのです。
このデータを知ったとき、
私は過去の講座の参加者に対して、
申し訳ない気持ちになりました。
なぜなら、「1万時間の法則」を信じた人が
遺伝的に合わない分野で、ムダな努力を
何年も続けてしまった可能性があるからです。
私が非現実的な幻想を見せてしまったようで、
とても罪悪感を覚えています。
つまり、「強みと遺伝の真実」について
私が繰り返しお伝えしているのは、
過去の参加者への懺悔の意味もあるのです。
もちろん、どんな分野も
簡単に結果を出すことはできません。
その意味では「1万時間の法則」が
あてはまる事例もあるでしょう。
とはいえ、あなたが楽しみながら努力をしつつ、
短期間で結果が出せる分野もあるのです。
言い換えると、あなたが苦労する上に
長期間続けても結果が出にくい分野もあると言えます。
そのため、私は「強みと遺伝の真実」を知ってから、
何度かこの話をしてきました。
しかし、未だに読者や講座の参加者に
真意が伝わりきっていないように感じます。
遺伝を考慮していない行動をして
ビジネスで悩んでいる方からのお問い合わせを、
毎日のようにいただくからです。
だからこそ「強みと遺伝の真実」について
私は繰り返しお伝えしています。