こんにちは。
相馬一進(そうまかずゆき)です。
昨夜は、五反田の、野菜がとても美味しいお店で、
「ブリしゃぶ」を食べました。
これは、その名前の通り、生のブリを
お湯に左右にくぐらせて、ポン酢で食べるのです。
これが、とても美味しい。
しかも、ヘルシーです。
……と、ここで1つ気づきました。
ブリしゃぶに限らず、牛しゃぶでも、豚しゃぶでも、
なぜ人は、お湯の中で、
肉を「左右」に動かしてしまう、
のでしょうか?
別に、箸で肉をつまんだまま、
お湯の中にドボンと入れて、
そのまま静止していてもいいのではないでしょうか?
そう、ここには人間の原始的な「心理」があるのです。
その心理とは、
「自分の手間をかければ、
さらに良い結果が出るに違いない」
という心理です。
例を紹介しますね。
例えば、鳥がいたとして、その鳥がいる
鳥かごの中に仕掛けを作ったとしましょう。
その仕掛けとは、
「ボタンを押してからちょうど3秒後に、エサが出る」
というもの。
すると、鳥は当然、ボタンを押すようになります。
何回もボタンを押して、
「ボタンを押したらエサが出る」ということを
鳥が学習した後に、少しだけ仕組みを変えます。
その、新しい仕組みとは、
ボタンを押してからちょうど「3秒後」ではなく、
「3分後」にエサが出るようにしたのです。
すると鳥はどうなるのかというと、
不思議な踊りを踊るようになるのです。(笑)
ボタンを押して、3分間じっくり静止して
ただ待てばいいだけなのに、
「何かしらの行動をすれば
もっと早くエサが出てくるかもしれない」
と色々なポーズをとってみたり、
ボタンを何度も押してみたりするのです。
この実験は、しゃぶしゃぶの話と同じですよね。
肉をお湯の中に入れたら、
左右に動かさなくてもいいはずで、
ほとんど静止していても問題ないはずです。
しかし、心理として、肉を左右に動かすことで
「より早く、より均一に火が通るかもしれない」
と思ってしまうのです。
そして、これは料理ベタにも言えます。
料理がヘタな人は、スパゲッティの乾麺を茹でるとき、
お湯の中に入れたあと、
ずっとかき混ぜ続ける
のです。
ですが、スパゲッティがからみやすいのは、
お湯に入れてから、せいぜい最初の1分です。
つまり、最初の1分さえかき混ぜ続ければ、
あとは放置でいいのです。
というよりも、ずっとかき混ぜ続けると、
スパゲッティの表面がツルツルになってしまって、
ソースが絡みにくくなって、美味しくなくなります。
この、
「自分の手間をかければ、
さらに良い結果が出るに違いない」
という心理。
鳥やしゃぶしゃぶ、スパゲッティに限らず、
ビジネスでも同じですよね。
昔、「芸能人は歯が命」という名キャッチコピーで、
「アパガード」という歯磨き粉がヒットしました。
ヒットしたんだから、そのキャッチコピーを
使い続ければいいものを、と思いますよね。
しかし、この「アパガード」の社長、
広告代理店の提案に負け、せっかくのコピーを
変更してしまったらしいのです……
その後の結果は知ってのとおりで、
大きく市場シェアを落としてしまいました。
これも、まさに
「自分の手間をかければ、
さらに良い結果が出るに違いない」
という心理から来た失敗です。
ぜひ、
「自分のやっている行動は、
本当に結果に繋がっているのだろうか?
むしろ、結果から遠ざかっていないだろうか?」
と、考えてみて下さい。