こんにちは。
相馬一進(そうまかずゆき)です。
昨日に続いて、今日も商品開発の話ですが、
「商品開発とは独善であり、場外ホームランを狙うもの」
と私は考えています。
独善とはすなわち「ひとりよがり」のことで、
自分が正しいと信じ込んで行動する態度です。
とくに、時代を変えるような商品はすべからく独善です。
たとえば、アップルのiPhoneです。
iPhoneが発売される前に
「iPhoneのようなスマートフォンが欲しい」
と言ったお客さんはいなかったと思います。
iPhoneは、スティーブ・ジョブズの独善によって
生まれた商品と言えるでしょう。
・携帯電話は賢くて超カンタンに操作できなければいけない
・ボタンが多い携帯電話は美しくない
・タッチペン(スタイラス)ではなく指で操作すべきである
などなど、ジョブズの「これが正しい」という
信念によって生まれた商品です。
別の例だと、最近、マツダの自動車のデザインが
世界的に評価されていることをご存知でしょうか?
それはマツダのデザイナーの独善によって
車がデザインされ始めたからです。
以前は、販売前にデザインをお客さんに見せて、
どう感じるかのアンケートをしていたのですが、
最近のマツダはそれさえもしなくなりました。
もちろん、独善で商品を作れば、
あまり売れず、大きくコケる可能性はあります。
野球で言えばフルスイングのバッティングなので
場外ホームランになるか、あるいは三振になるか、
そのどちらかでしょう。
ですが、私はそれでいいと思うのです。
いや、それがいい。
伝説のコピーライターであるデイヴィッド・オグルヴィも、
「バントをするな、場外ホームランを狙え」
と言っていますから。
お客さんの声を聞いて商品を作るのはバントであり、
高校野球のレベルです。