こんにちは。
相馬一進(そうまかずゆき)です。
心理療法家として世界一有名な、
ミルトン・エリクソンはこんな至言を残しています。
「全ての問題は、意識と無意識の
ラポールが取れていないことによって起こる」
このラポールというのは臨床心理学の用語で、
信頼関係というような意味です。
意味を少し、解説したいと思います。
例えば、私がセミナーをするとき、
参加者に質問をしたとします。
「あなたの目標は何ですか?」
すると、ある男性の参加者がこう答えます。
「私の目標は億万長者になることであり、
資産5億円を貯めることです」
はい、出ました。(笑)
こういう目標は、まず嘘ですね。(苦笑)
このとき、そのセミナー参加者の頭の中では、
こんなことが起こっています……
無意識(漠然とした感情)の意見:
「なーんか、現状で満たされていないなあ……。
もっと美味しい物も食べたいし、
ブランド物も買いたいなあ……。
色々と旅行に行ったりしたいし、
もっと友達と深く繋がりたいなあ……。
もっと人から尊敬されたいし、
将来の金銭的な不安から解放されたいなあ……。」
このような無意識の感情は、
空の雲のように曖昧模糊(あいまいもこ)としていて、
言語化されていません。
そこで、意識の出番です。
意識(認識と言語化)の意見:
「わかった!
それなら、億万長者になって、
資産5億円もあれば全部の問題が一気に解決するな!
美味しい物も、ブランド物も、旅行も、友達も、
尊敬も、金銭的な問題も、これで一発で解決するぞ!
俺って、なんて頭がいいんだろう……(ニタニタ)」
……というように、意識は、
無意識のファジーな悩みを解決するような、
「超適当」な解決策を言語化してくれるわけです。
当然のことながら、その解決策はベストではありません。
実際に億万長者になりたいと思ったら
本気で働かないとまず無理ですが、
多くの人はそれをやりたがりませんし。
それに、
美味しい物も、ブランド物も、旅行も、友達も、
尊敬も、金銭的な問題も、
全て「他の方法」でも解決できますよね。
ですので、意識が言っている、
「億万長者になり、資産5億円」
という目標を掲げてしまうと、まず失敗するのです。
多くの人は、本気で働いてまで
億万長者になりたくないわけですから、
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途中でまず挫折します。
これこそが、
「全ての問題は、意識と無意識の
ラポールが取れていないことによって起こる」
ということの意味なのです。
無意識のファジーな感覚と、
それを言語化する意識の、2つが噛み合っていないと
良い目標設定なんて、できません。
自分の意識から、無意識へと
うまくコミュニケーションをするスキルが必要、
ということですね。