こんにちは。
相馬一進(そうまかずゆき)です。
心理学の巨人で
ジュディス・リッチ・ハリスという方がいました。
彼女は、「子どもをしつけるのは不可能である」
と示して、心理学の常識をひっくり返しました。
それまでの心理学では、
「子どもの性格が良いか悪いかは親のしつけである」
と思われていたからです。
彼女が本で発表して以来、
まともに心理学を学んでいる人は
下記のようなことは言わなくなりました。
・親の育て方が子どもの人生を決める
・子どもが社会や学校でうまくやっていけないのは親のせい
・子どもが大人になって問題を起こすのは、
親のしつけが悪かったからだ
上記のようなことを言っている人は、
勉強不足な証拠で己の無知をさらしているわけです。
さて、ここからが本題なのですが、
なぜ子どもは親の言うことをきかないのでしょうか?
そして、親のしつけはなぜ意味がないのでしょうか?
その答えは、子どもは親ではなく同年代の友達から学び、
友達の輪からはずれないように行動するからです。
つまり、親のしつけと友達の行動が相反した場合、
子どもは親の言うことは無視するのです。
親が「午後10時が門限だよ」と言っても、
友達が午後10時を過ぎても遊んでいれば、
子どもは門限を平気でやぶるわけですね。
このように、子どもは親のしつけを無視し、
友達と同じ行動をとるのです。
したがって、子どものしつけは失敗するのです。
こういった興味深い発見を本で披露したため、
前述のジュディス・リッチ・ハリスは
心理学の歴史の転換点を作りました。
はっきり言って、心理学を仕事にしている人で、
彼女の本を読んでいないとしたら生き恥です。
この数十年間の心理学の歴史の中でも、
もっとも大きな転換点の1つだからです。
ぜひ読んでおいてもらいたいのは、こちらの上下巻。
この本はとても素晴らしいので、
私の講座「お金の心理学」のリーダーズコースの中でも
何年か前に紹介しました。
もちろん、心理学を仕事にしていなくても、
子育てとか教育にたずさわっているのであれば
(わりと読みにくい本ではありますが)おすすめです。
子育てとか教育で感じているストレスが減り、
子どもや生徒に対する接し方が完全に変わるでしょう。