こんにちは。
相馬一進(そうまかずゆき)です。
自己啓発書が好きな人が、よく読む本として、
『思考は現実化する』という本があります。
そもそも、この本の著者、ナポレオン・ヒルの話自体が
作り話である可能性が非常に高いことは、
以前ブログに書いたとおりです。
ご参考:
ナポレオン・ヒルは詐欺師か?
ナポレオン・ヒルが「作り話」の理由
それで、今日のテーマは、
「思考は現実化する」という話は嘘である、
ということです。
これについて、しっかりとした説明は
私の「お金の心理学」プログラムの中で話しましたので、
今日は感覚的な説明だけをしますね。
あなたは、インチキ占い師の手口を知っていますか?
彼らは、適当な未来予想をペラペラ話すだけなのです。
そして、それこそが最高のインチキなのです。
もちろん、その未来予想はほとんど外れるのですが、
偶然、1つくらいは当たってしまいます。
すると、どうなるのか?
人間の脳は、強く感情が伴ったことだけが
記憶に深く残るようにできていますので、
当たった記憶だけが残り、外れたことは忘れ去られます。
そして、
「ああ、この占い師は本物だ!」
とインチキ占い師を信じてしまうのです。
そして、「思考は現実化する」も同様です。
残念ながら、あなたが考えたことのうち、
そのほとんどは現実化しません。
その証拠に、
・天気を現実化できる人はいますか?
・株価をコントロールできる人はいますか?
・宝くじの結果を当てられる人はいますか?
いないですよね。
もしいたら、一緒に大儲けしましょう。(笑)
しかし、偶然、考えたことのうちの1%くらいが
現実になったりします。
すると、私たちの脳は、それが強く記憶に残り、
「やっぱり、思考は現実化するんだ!」
と信じてしまうのです。
この、都合よく記憶された事実のことを
セレクティブ・メモリー(選択された記憶)
と言います。
つまり、私たち人間というのは、
せいぜい半径3mくらいの範囲に
影響を与えるのが精一杯で、
現実化できることというのは、
そんなに多くはないのです。
結局、私たちの人生というのは偶然の連鎖で出来ていて、
ある程度は影響を与えられますが、
最終的には、人生はなるようにしかなりません。
「人生は完全にコントロールできる」みたいな
自己啓発オタクにありがちな思い込みを持っていると、
一喜一憂する人生になってしまいます。
真実は、私たちは、ある程度は現実に対して
影響を与えられますが、
完全にコントロールはできない、
ということなのです。